はじめに
火災が起きた際に必ず発生する煙。建物は気密性が高く、火災事故による被害の多くは煙を吸い込むことによる一酸化炭素中毒が多いとされています。
煙を逃がすための装置であり、人命の安全を担当するためにも重要な「排煙設備」について、建物における設置基準を正しく理解することが本記事のテーマです。
排煙設備とは
前項で触れたように、「排煙設備」は火災時の煙を逃がすための装置です。「排煙窓」や「排煙口」がそれにあたり、煙が自然に上昇する性質を生かして、天井付近に設置されていることが一般的です。
開閉の仕方には、ハンドルやチェーンで手動開閉する「手動開閉式」、防災センター等が管理する「電動式」、煙を感知すると自動で開く「煙感知器連動型」等の種類があります。
排煙設備の設置基準
建築基準法施行令第126条の2により、以下のような建物には排煙窓の設置が義務付けられています。
- 延べ面積が500㎡を超える特殊建築物(劇場、病院、ホテルなど)
- 階数が3以上で延べ面積が500㎡を超える建築物
- 延べ面積が1000㎡を超える建築物の居室で、床面積が200㎡を超えるもの
設置基準における例外
前項の設置基準について、建築基準法施行令第126条の2では例外についても触れています。
——特殊建築物で延べ面積が500m2を超えるもの、階数が3以上で延べ面積が500m2を超える建築物(建築物の高さが31m以下の部分にある居室で、床面積100m2以内ごとに、間仕切壁、天井面から50cm以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので不燃材料で造り、又は覆われたもの(以下「防煙壁」という。)によって区画されたものを除く。)
例外であったとしても、建築士や設計士、自治体の建築指導課、管轄の消防署等に確認することが大切になります。建築基準法に違反した際は、罰則の対象となりますので、注意しましょう。
おわりに
排煙設備は、火災事故における被害を最小限にするもの、人命の安全を守るための装置です。適切な設置を行うことが、非常に重要な要素であり、居住者の安全を担保することになります。
弊社では事業用不動産に特化し、ビルの管理運営業務を行っています。排煙設備につきましてメンテナンスや設置のご相談等ございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

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