※貸しビル大百科内の「電気系統設備に関して」も併せてご参照ください。
キュービクルの点検
キュービクルの点検は、大きく分けて、月次点検と年次点検があります。
【月次点検】
- 電流・電圧の測定と漏洩がないかの確認
- 外観(異音・異臭・異常発熱)のチェックなど
※多くの場合は、通電状態のまま実施されます。
【年次点検】
- 月次点検と同様の点検の他、高圧機器内部の清掃や接点摩耗の点検
- 保護リレー試験・変圧器の絶縁油試験など
※停電した状態で実施します。
今回は、キュービクルの年次点検の際の停電対応についてご紹介します。
停電前に気を付けること
【事前周知】
【テナント・入居者】
入居テナント、入居者などに「停電日時・影響範囲」を必ず通知しましょう。
特に、テナントが冷蔵庫や冷凍庫を設置している場合やサーバーを設置している場合には、停電が重大な影響を及ぼすこともあります。
ポスティングや共用部の掲示など複数の手段で確実に通知を行いましょう。
【警備会社】
警備会社にビルの警備を依頼している場合は、警備会社に事前連絡を入れましょう。
停電中は警備システムが機能しないため、警備員が異常と判断して現場に急行してしまう可能性があります。
その結果、出動費用などの追加費用が発生する場合もありますので、忘れずに連絡を入れておきましょう。
【設備の保護】
【パソコン・サーバー】
パソコンやサーバーは、事前に必ずシャットダウンしておきましょう。
また、万が一に備えてバックアップも実施しておきましょう。
瞬間的な停電や電圧の変動、またはハードディスクへの読み書き中などに停電が発生した場合、システムファイルの破損やハードディスク自体の故障を引き起こす可能性があります。
【冷蔵庫】
特に夏場は食品が傷みやすい時期のため、冷蔵庫や冷凍庫については、保冷効果ができるだけ長く保たれるよう事前に対応しておきましょう。
冷蔵庫の場合、気温やドアの開閉頻度にもよりますが、庫内の上部に保冷剤や凍らせたペットボトルを入れておくことで、約4〜5時間は冷蔵効果が持続するとされています。
※保冷剤などに水滴がつくことがあるため、タオルを敷いておくと安心です。また冷凍庫も同様に、気温や開閉状況に左右されますが、隙間なく冷凍食品などを詰めておくことで、半日程度は凍結状態を保つことが可能です。
復電前に気を付けること
【突入電流の抑制】
突入電流とは、電気機器の電源を投入した瞬間に、通常の運転時よりもはるかに大きな電流が一時的に流れる現象のことを指します。
突入電流を抑えるためには、すべての機器の電源を一斉に入れず、段階的に起動することが重要です。
具体的には、「空調」→「照明」→「その他の機械類」というように、機器の種類ごとに順番に電源を投入してください。 突入電流を抑制することで、電源設備への過負荷やブレーカーのトリップなどを防止することができます。
【機器等の異常確認】
停電復旧後は、電化製品などから焦げ臭い匂いや異音がしないかを必ず確認しましょう。
また、冷蔵庫や冷凍庫に保管していた食品についても、異臭がないか、傷んでいないかなどよく確認しましょう。
特に夏場は食品が傷みやすく、見た目に異常がなくても、安全のため早めに廃棄する判断も必要です。
停電といえども、リスクはさまざまなところに点在しています。
万が一の事態を防ぐためにも、点検の前後は万が一に備えて確実に対応を行いましょう。
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