テナント募集における引き渡し状態について

現在空室の募集区画において、「引き渡し状態」はどのような意味をもつのでしょうか。

物件の引き渡し状態は大別すると以下の3パターンございます。

①店舗内の内装(床・壁・天井など)が全て取り払われた躯体状態(=スケルトン)

②床・壁・天井などの内装に加えエアコン・照明器具・トイレ・流し台などの設備が整っている状態(=事務所仕上げ)

➂前テナントの内装・設備が残っている状態(=居抜き)

オーナー様の中には、例えば「事務所として使用していた前テナントにはスケルトン状態で退去してもらったけれど、次も同じような業種が入りそうなので、内装を残置してもらっても良かったかなぁ」や、「前テナントには居抜き状態で退去してもらったけれど、なかなか次のテナントが決まらないなぁ」というお悩みを抱えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、テナントが退去した後ではスケルトン状態を居抜きに戻すことも、事務所仕上げを居抜きに戻すこともできません。現況から全ての引き渡し状態へ変更することはできないことをあらかじめご理解いただいたうえでご覧ください。

では、テナントが退去した後に引き渡し状態を見直すにはどのようにしたらよいのでしょうか。もちろん、どの引き渡し状態が一番良いということは一概には言えませんので、まずはテナント側の意向と、オーナー様とテナント両者それぞれのメリット・デメリットを把握し、そのうえで引き渡し状態の選択をしましょう。

引渡状況 メリット デメリット 入居しやすい業種の例
スケルトン ・間取りや仕上げを思い通りの内装にすることができる
・前のテナントの影響を受けない
・工事費などコストがかかる
・開業までの時間がかかる
・退去時の解体費用
飲食店
美容院
歯科クリニック
スポーツクラブ
コインランドリー 等
事務所仕上げ ・初期費用の削減が可能
・開業までの時間が短縮できる
・そのまま使用可能
・希望どおりの配置ではない可能性がある 事務所
学習塾
マッサージ
クリーニング   等
居抜き ・初期費用の削減が可能(同業種であれば)
・開業までの時間が短縮できる
・他の内装への投資が可能
・前テナントのイメージに影響を受ける可能性がある
・内装レイアウトの変更が効きにくい(莫大な費用を要する)
・前テナントの原状回復義務を引き受ける可能性がある
※1
居酒屋
スナック
焼肉店
クリニック
美容院      等

※1…基本的に前テナントと同業種のテナントが入居するものと考えるため、ここでの例は、よくある居抜き物件の業種例です

表をご覧いただきますと、どの引き渡し状態もメリット・デメリットがございます。業種の例はごくわずかの列挙となりますので、そのほか気になる業種に関しましてはお問い合わせください。

テナントによっては出店費用を抑えられる事務所仕上げの物件を優先して探している場合や、すぐに開業することができる居抜き物件で探している場合もございます。事務所仕上げと居抜きでは、募集できる業種が限定されてしまい、お問い合わせが少なかったり、テナントが決まりにくかったりするのではないかと考えてしまうかもしれませんが、条件の固まっているお客様からの反響が期待でき、契約までの流れがトントン進むといったこともございます。

また、テナントから「広さ・賃料は良いけど、事務所仕上げの引き渡しだったらなぁ」「事務所仕上げじゃなくて、スケルトン引き渡しがいいなぁ」「初期費用にそんなにかけられないなぁ」といったお問い合わせをいただくこともあります。そんな時は、物件所在地の地域や立地によって引き渡し状況を柔軟に考えることが必要になるでしょう。

引き渡し状態を変えることは決して安易なことではないでしょう。時間と費用がかかることはもちろん、建物の用途や給排水・ガスなどの設備容量も考慮しなければなりません。

そのようなお困りごとに対して弊社では、多種多様なビル管理の経験と実績のある社員が、引渡状況のご提案をさせていただきます。物件ごとにお問い合わせを集計し、オーナー様のテナント誘致にご活用いただくことも可能です。ぜひ一度お気軽にお問い合わせ下さい。

By | 2020年7月10日

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