1.防火対象物点検とは?
防火対象物点検とは、防火管理者選任(解任)届、消防計画等の消防届出書類が適切に行われているか、建物の運用が防火管理者により消防計画に基づき適切に行われているかどうかについて、防火対象物点検資格者が点検を行う制度です。
その結果を1年に1回、所轄の消防署へ報告しなければなりません。
2.防火対象物点検報告制度の背景
平成13年9月1日に、新宿区歌舞伎町ビルでの火災事故が起こりました。小規模な雑居ビルで発生した火災であるにもかかわらず44名もの方が亡くなり、昭和57年に33名の方が亡くなったホテルニュージャパンの火災を上回る大惨事となりました。
多くの犠牲者を出した要因としては、階段に多くの障害物が置かれていて避難を妨げたこと、消防設備などの点検が行われていなかったこと、防火管理者が選任されておらず避難訓練が行われていなかったことなどが挙げられました。このような状況を改善するために制定されたのが「防火対象物点検報告制度」です。
3.防火対象物点検の対象となる物件は?
特定防火対象物(=不特定多数の人が出入りする消防設備を設置しなければいけない建物)で次のいずれかに該当するもの
- 収容人員が300人以上の建物
- 収容人員が30人以上(社会福祉施設は10人以上)300人未満のもので次に該当するもの
A 特定用途が3階以上の階又は地階に存するもの
B 該当する階から避難階又は地上に通じる屋内階段が1系統であるもの
(屋外に設けられた階段等であれば免除)
※情報参照元リンク:総務省消防庁
4.防火対象物点検の項目は?
- 防火管理者を選任しているか。
- 消火・通報・避難訓練を実施しているか。
- 避難階段に避難の障害となる物が置かれていないか。
- 防火戸の閉鎖に障害となる物が置かれていないか。
- カーテン等の防炎対象物品に防炎性能を有する旨の表示が付されているか。
- 消防法令の基準による消防用設備等が設置されているか。
※上記項目は点検項目の一部の例です。
5.点検実施責任の区分
【点検区画】 | 【管理権限者】 |
---|---|
専有区画 | 借主である各テナント |
共用部 | 建物所有者・オーナー |
6.防火対象物点検報告制度の罰則は?
以下のような罰則がございます。
- 「防火基準点検済証」、「防火・防災基準点検済証」、「防火優良認定証」、「防火・防災優良認定証」の表示を、表示できる要件を満たしていないにも関わらず表示をした場合や紛らわしい表示をした場合
⇒30万円以下の罰金又は勾留(消防法第44条第3号) - 防火対象物点検の報告をせず、又は虚偽の報告をした場合
⇒30万円以下の罰金又は勾留(消防法第44条第11号) - 前1及び2についてはその行為者のほか、その法人に対して30万円以下の罰金刑(消防法第45条第3号)
7.点検費用について
詳細なお見積り、ご相談は下記の「ビルマネジメント概算お見積り」にてご確認ください。