はじめに
防火設備定期検査は、防火扉や防火シャッターなどが、火災時に本来の役割を果たせる状態にあるかを確認するための法定検査です。建築基準法に基づく定期報告制度は、建築物を建てた時点の適法性だけでなく、使用開始後も適法な状態を維持することを目的としています。以前は建築設備定期検査の一部に含まれておりましたが、防火設備の安全基準を強化する目的で2016年6月1日以降は防火設備定期検査として検査及び報告が義務付けられました。
防火設備定期検査の制度
定期報告制度は、使用中の建築物について、損傷や腐食などの劣化状況に加え、不適切な改変によって違反状態が生じていないかを確認し、その結果を行政へ報告する仕組みです。防火設備定期検査もこの制度の一つであり、建築基準法第12条に基づいて実施されます。
対象となる建築物と防火設備
国が一律に報告対象としているのは、不特定多数の人が利用する建築物に設けられた防火設備と、高齢者等の自力避難が難しい人が就寝用途で利用する施設に設けられた防火設備です。このほか、地域の実情に応じて特定行政庁が対象を追加することもできます。つまり、防火設備が設置されていればすべて自動的に報告対象になるわけではなく、建築物の用途や利用形態とあわせて判断されます。 防火設備として検査の対象になるのは、防火扉、防火シャッター、耐火クロススクリーン、ドレンチャーその他の水幕を形成する防火設備であり、国土交通省告示第723号で検査基準を定めています。
検査と報告
報告義務者は原則として建築物の所有者で、所有者と管理者が異なる場合は管理者です。検査を行うことができるのは、防火設備検査員、一級建築士、二級建築士です。防火設備は建築設備と同じく毎年の報告対象とされており、報告年度には有資格者による検査を受け、その結果を特定行政庁へ報告します。尚、建築基準法上の検査済証の交付直後は、初回の報告が免除されます。
罰則規定
定期報告を怠ると建築基準法第101条により100万円以下の罰金の対象となります。
まとめ
防火設備定期検査は、防火扉や防火シャッターなどが火災時に機能する状態にあるかを確認するための法定検査です。対象となる建築物と設備、検査資格者、報告の時期、検査基準はいずれも法令と告示で定められており、 建物所有者や管理会社にとって大切なのは、法定検査の対象かどうかを確認し、毎年の検査と報告を建物管理の予定に組み込んでおくことです。
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