非常用自家発電設備と法定点検について

はじめに

非常用自家発電設備は、停電時に必要な設備へ電力を供給するための設備です。ビル管理の実務では、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備などの消防用設備等の非常電源として設置される自家発電設備を指すことが多く、この場合は消防法に基づく点検と報告の対象になります。自家発電設備そのものは消防用設備ではありませんが、消防用設備等の非常電源として附置されているものは、消防用設備の一部として扱われます。

 消防法令上の非常用自家発電設備とは

消防用設備等の非常電源として用いられる設備で、その構造及び性能の基準は、昭和48年消防庁告示第1号「自家発電設備の基準」で定められています。この告示では、常用電源が停電した場合に自動的に電圧確立、投入及び送電が行われること、停電から投入までの所要時間、計器、燃料、制御装置などについて基準が設けられており、非常時に必要な電力を安定して供給できることが前提になっています。 消防用設備等の非常電源は、自家発電設備だけではありません。消防庁が公表している点検基準等では、非常電源として非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備、燃料電池設備が区分されており、それぞれ別の基準が設けられています。したがって、非常用自家発電設備は、非常電源の一種という位置付けになります。

法定点検について

消防用設備等の非常電源として設置されている自家発電設備は、消防法第17条の3の3に基づく消防用設備等点検報告制度の対象です。東京消防庁の制度説明でも、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備などの非常電源として附置されている自家発電設備は、消防用設備の一部の扱いとなり、消防法に基づく点検が必要であることが示されています。

点検の周期は、機器点検が6か月に1回、総合点検が1年に1回です。一方、点検結果の報告は、特定防火対象物では1年に1回、非特定防火対象物では3年に1回必要になります。ここでは、点検の周期と報告の周期が別であることを分けて把握しておく必要があります。 自家発電設備の点検基準は、昭和50年消防庁告示第14号「消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件」の別表第24で定められています。これは、消防用設備等の点検方法や点検票の様式を定めた告示で、その中に非常電源である自家発電設備の点検基準が位置付けられているということです。したがって、非常用自家発電設備の法定点検は、発電機だけを単独で点検する制度ではなく、消防用設備等の非常電源として設置されている自家発電設備について、消防法に基づく基準に従って点検を行う仕組みと理解するのが正確です。

罰則規定について

消防用設備等点検報告制度では、点検結果を報告しない場合、消防法第44条第11号により30万円以下の罰金又は拘留となる可能性があります。

まとめ

非常用自家発電設備は非常時に消防用設備等の機能を支えるための設備であり、正常に機能することがとても重要な設備です。そのため、設置者や管理会社は責任をもって消防法に基づいた適切な点検及び報告を行い、維持管理に努めましょう。

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By | 2026年6月10日

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