はじめに
「ダクト」と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
飲食業に従事している方でしたら耳にしたことがあるかもしれませんが、当たり前のように設置されているこの装置がどのような役割を担っているのかを明らかにし、正しく理解することが本記事のテーマです。
ダクトとは
端的に言えば、「空気」を運ぶための管のことを指します。空調や換気、排煙を行うことを目的とし、建物内の空気を快適なものにし、より良好な室内環境を保持する役割を担っています。
「配管」と混同して捉えられてしまいがちですが、「配管」は空気だけでなく液体やガスを運ぶための管ですが、ダクトはあくまでも「空気」を運ぶためだけに存在します。
ダクトの種類
ダクトの種類には主に以下のものがあります。
- 給気ダクト(SA)
空調機から室内に空気を送り込むためのダクトです。(Supply Air) - 還気ダクト(RA)
室内から古い空気を空調機に戻すためのダクトです。(Return Air) - 外気取り入れダクト(OA)
外気を空調機に取り込むためのダクトです。(Outdoor Air) - 排気ダクト(EA)
空調機を通して屋外へ空気を吐き出すダクトです。(Exhaust Air) - 排煙ダクト(SEA、SM)
火災時に煙を屋外に排出し、延焼を防ぐダクトです。(Smoke Exhaust AirあるいはSmoke) - 厨房ダクト
飲食店の厨房に設置するダクトです。油汚れがつきやすく、引火した場合は燃え広がりやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
ダクトに関する法令
消防法、建築基準法、悪臭防止法、大気汚染防止法等があります。とりわけ厨房設備については、各市町村において「火災予防条例」の中で規制がなされております。
火災予防条例とは、消防法を体系化し、自治体の実情にあわせて策定された条例であり、例えば東京都においては、第三条の二「厨房設備」のなかで、排気ダクトと可燃物との距離や、取り付ける天蓋の素材、防火ダンパーやグリスフィルターについて、細かく規定されております。
火災予防条例に違反した際は、違反内容によって異なりますが、罰則の対象となりますので、注意しましょう。
ダクトの構造
【例】厨房の排気ダクト

ダクトのメンテナンス
ダクトのメンテナンスは、室内の空気を正常に保つためにとても重要です。
ダクト内部の汚れは、健康被害につながる恐れがある他、厨房の排気ダクトについては、たまった油汚れによる火災の原因にもなりかねません。
定期的な点検と清掃できれいに保つことが居住者の安全を守ることに繋がります。
おわりに
ダクトは、建物内の空気を快適にし、良好な室内環境を守るための装置です。
適切な管理を行うことが、衛生面において非常に重要な要素であり、居住者の安全を担保することになります。
弊社では事業用不動産に特化し、ビルの管理運営業務を行っています。
ダクトにつきましてメンテナンスや設置のご相談等ございましたら、お気軽にご相談くださいませ。
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