機械式駐車場の種類

はじめに

都市部やマンション、商業施設などで多く採用されている「機械式駐車場」は、限られた敷地を有効活用できる設備として広く普及しています。
しかし一口に機械式駐車場といっても、その構造や仕組みによってさまざまな種類が存在します。

本記事では、代表的な機械式駐車場の種類と特徴について解説します。

二段式・多段式(昇降式/昇降横行式)

最も一般的なタイプが「二段式・多段式」です。
上下に車を重ねて駐車する方式で、全体の6割以上がこの方式になります。

特徴

·  上下に車を配置し、昇降機で出し入れ:車両は上下の段に並べられ、昇降装置(リフト)を使って、車の位置を変更します。

·  構造がシンプル:設置にかかるコストが安価で、保守が簡単です。

·  コストが安価:多段式の中でも初期費用が安く、ランニングコストも低めです。

種類

·  地上二段式:駐車スペースが2段に配置されたタイプ。最も基本的な構造で、安定して使用されています。

·  ピット式(二段式):地下にピットを掘り、そこに車を収納する方式。出庫時にピット内の車両が昇降することにより、効率的な運用が可能。

·  昇降横行式(パズル式):昇降機に加えて、車両が横方向に移動するため、車の配置を効率よく変更でき、狭いスペースでも多くの車両を収納可能。特に「昇降横行式」は、上下だけでなく左右にも動くため、
効率よく多くの車を収容できるのが特徴です。

垂直循環方式

観覧車のように車を循環させるタイプの駐車場です。

特徴

  • パレットが円形に循環して車を搬送:車両は円形のパレットに乗せられ、機械的に回転することで次々と収納されます。
  • 比較的コンパクトなスペースで設置可能:特に土地が狭い場所に適しています。
  • 出庫に時間がかかる場合がある:車両が円形に循環するため、出庫時に少し時間がかかることがあります。

この方式は、設置面積が比較的小さくて済むため、都市部の土地に余裕がない場所でもよく採用されます。

エレベーター方式(タワー式)

ビルのような構造の中に車を格納する大型の機械式駐車場です。

特徴

  • 車をエレベーターで搬送して格納:車両をエレベーターで上下に搬送し、高層・高密度に駐車可能。
  • 高層・高密度に駐車可能:垂直に多くの車を収容できるため、都市部の限られた土地に最適です。
  • 都市部のオフィスビルや商業施設で多く採用:駐車スペースが少ない場所でも効率的に運用できます。

エレベーター方式は、車両の収容台数が非常に多く、都市部の需要に対応するために使われます。

多層循環方式

上下左右にパレットが移動しながら車を運ぶ方式です。

特徴

  • 複雑な動きで効率よく収容:車両のパレットは上下だけでなく、左右にも移動し、最適な位置に車を収納します。
  • 円形・箱型など複数の形式あり:設置環境に応じて形状を選ぶことができます。
  • 大規模施設向け:高い収容効率を誇り、空間の有効活用が可能です。

多層循環方式は、収容効率が非常に高く、大規模な商業施設やオフィスビルに適しています。

水平循環方式

駐車スペースを水平方向に循環させる方式で、
主に地下駐車場などで採用されます。

特徴

  • 通路を最小限に抑えられる:車両の移動が横方向に行われるため、通路を狭くすることができ、収容効率が向上します。
  • 高い収容効率:車両が左右に動くことにより、効率よく車両を収容できます。
  • 地下空間の有効活用に適している:地下スペースが限られている場所で特に有用です。

この方式は、特に地下駐車場や深い駐車場スペースに適しています。

機械式駐車場の選定ポイント

機械式駐車場は種類によって、以下の点が大きく異なります。

  • 収容台数
  • 出庫時間
  • メンテナンスコスト
  • 故障リスク
  • 利用者の利便性

そのため、建物の用途や規模、利用頻度に応じて
最適な方式を選定することが重要です。

まとめ

機械式駐車場には以下のような種類があります。

  • 二段式・多段式(昇降式/昇降横行式)
  • 垂直循環方式
  • エレベーター方式(タワー式)
  • 多層循環方式
  • 水平循環方式
  • その他

それぞれにメリット・デメリットがあり、
設置環境や運用目的によって適した方式は異なります。

適切な種類を選定し、定期的な点検・メンテナンスを行うことで、
安全かつ効率的な駐車場運用が可能となります。

画像出典:国土交通省「機械式駐車装置の安全対策」https://www.mlit.go.jp/common/001201345.pdf

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By | 2026年7月13日

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