はじめに
住宅や事業用施設等で見られるベランダ及びバルコニーについている上記のような設備をご覧になったことはありますでしょうか。
これは「避難梯子または緩降機」と呼ばれるもので、火災などの有事の際、建物から安全に避難するために使用するものです。
特に階段やエレベーターが使用できない場合に有効で、外部に取り付けられたものや折りたたみ式のものが一般的に設置されております。


避難梯子または緩降機の設置場所
避難梯子または緩降機の設置場所は、使用する目的や建物の構造によって異なりますが、一般的には次のような場所に設置されます。
- 高層ビルやマンションの外壁
高層階に住んでいる場合、外壁に設置された避難梯子または緩降機を利用することがあります。窓の近くや、避難のために設けられた専用の出口の近くに取り付けられることが多いです。特に階段やエレベーターが使用できない場合に役立ちます。 - 家庭用の避難梯子
一部の住宅では、避難梯子を窓の外に取り付けていることがあります。多くの場合、2階やそれ以上の階に住んでいる場合、窓から下ろして使うことができるように設置されることが多いです。このタイプは、平時には収納されていて、緊急時に素早く展開できるようになっています。 - 避難口や避難階段付近
高層ビルなどでは、避難階段や避難口に接続された場所に避難梯子または緩降機が設置されていることがあります。これにより、火災やその他の災害で階段が使えない場合に、外部に安全に避難するための手段となります。 - 屋上や屋根近く
屋上や屋根に避難梯子が設置されることもあります。特に屋上に避難口がある場合や、ヘリコプターによる避難が難しい場合などに利用されます。屋上から避難するために専用の梯子が設けられ、外部の安全な場所に降りることができます。 - 避難梯子または緩降機の使用方法は、緊急時に迅速かつ安全に避難するために正しく理解しておくことが重要です。一般的な使用方法を以下にまとめました。

避難梯子の使用方法
1.避難梯子を取り出す
- 家庭用避難梯子の場合: 普段は収納されていることが多いため、緊急時にはまず収納場所から取り出します。収納ケースや袋から梯子を引き出し、迅速に使える状態にします。
- 外壁に設置されている避難梯子の場合: 取り付け位置や取り外し方法を事前に確認しておき、必要に応じて取り外して使用します。
2. 梯子を窓から下ろす
- 家庭用の避難梯子は、通常は窓の外に掛けて使用します。梯子の一端を窓枠にしっかりと掛け、安定させることが重要です。窓の外にしっかりと設置し、梯子が滑り落ちないように確認します。
3. 梯子を確認する
- 梯子がしっかりと固定されていることを確認します。特に外壁に設置されたものや、折りたたみ式のものは、使用前に強度や安定性をチェックします。
- また、梯子が障害物に引っかかっていないことや、通り道が確保されていることを確認します。
4. 避難者が梯子を使う
- 順番に避難する: 一度に多くの人が使わないようにし、順番に避難します。避難する際は、落ち着いて慎重に梯子を使い、転倒や事故を防ぎます。
- 梯子を使う姿勢: 手すりがない場合は、両手で梯子をしっかり握り、足元に注意を払って安全に降りていきます。急がず、無理な体勢を取らないように気をつけます。
- 下まで降りた後: 途中で立ち止まらず、確実に下に降りきります。降りた後は、周囲の安全を確認して避難場所に向かいます
5. 避難後の確認
- 避難が完了した後、他の人が使用している場合は、梯子がまだ安全に使える状態であることを確認します。無理に梯子を使わないようにします。
使用のポイント
- 高所からの避難時の注意点: 高い階からの避難時は、特に慎重に行動しましょう。落下や転倒を防ぐため、慌てずゆっくりと降りることが大切です。
- 風の強い日や雨の日: 天候が悪い時は、風や雨に注意して使用する必要があります。滑りやすくなる可能性もあります。
緩降機の使用方法
1.使用前の準備
- 収納箱(ケース)を開けて、緩降機が正しく収納されているか確認します。
- 使用に必要な構成部品(支柱、降下ベルト、ハーネスなど)が揃っているか確認します。
2.支柱(フック)を固定
- 支柱またはフックを、ベランダの床や壁にある設置金具にしっかり固定します。
- フックの固定が不完全だと、事故につながるため確実に取り付けます。
3.窓・ベランダの手すりなどからロープを垂らす
- ロープがまっすぐ地面まで届いているか確認し、障害物がないかを目視確認します。
4.降下ベルトを身に着ける
- 降下する人は、付属のハーネスや腰ベルトを体にしっかりと装着します。
- ベルトは身体にしっかりフィットさせ、ゆるみがないように調整します。
5.降下開始
- ベルトが緩やかに下降するよう、ゆっくりと外へ体を出します。
- 緩降機は自動的に速度を調整してくれる構造(摩擦ブレーキ付き)が多いため、急降下することはありません。
- 手を放しても一定速度で安全に降りるようになっています。
6.地上到着後
- 地上に着いたらベルトを外し、次の人が使用できるように上へ戻します(自動巻き上げ式でない場合)。
使用のポイント
- 使用前に定期点検を受けておくこと(耐用年数や劣化確認)。
- 定員は1名が基本(定員超過は絶対にしない)。
- 練習しておくことが重要(実際に使うときに慌てないため)。
- 雨天や風の強い日は、使用にリスクがあるため要注意。
避難梯子または緩降機を使用する際には、事前に使用方法を家族や同居者と確認し、実際に訓練を行うことも有効です。緊急時に冷静に行動できるよう、準備をしておくことが大切です。

ビルマネジメント概算お見積もり
ビル管理に関する無料ご相談