未登記物件とは?
未登記物件とは、不動産登記簿に登記されていない土地や建物のことを指します。
正確な数は公開されていませんが、推定では、日本全国で数十万件から数百万件存在すると言われています。
登記は法的に所有権を証明するものであり、登記が行われていない場合、その物件の所有権を証明することが難しくなります。
未登記物件になってしまう原因とは?
未登記物件が発生する原因には、つぎのようなものが挙げられます。
- 土地や建物の売買が非公式に行われた場合
(例として、家族・友人間での売買、法的制約の回避、違法行為など) - 相続や贈与による所有権の移転が登記されていない場合
- 新築物件が完成後に登記手続きが行われていない場合
未登記物件のリスクとは?
未登記物件の最大のリスクは、所有権の不確実性です。
登記が行われていないため、第三者から所有権を主張される可能性があり、不動産業者や金融機関も、登記された物件に比べて未登記物件の取り扱いを避けることが多く、売買や融資が困難になることがあります。
また、未登記物件は、法的な保護を受けられず、トラブルや紛争を引き起こす可能性が高いため、適切な手続きを経て登記を行うことが重要です。
未登記物件を登記するには?
未登記物件を登記するためには、以下の手順を踏む必要があります。
- 土地の所有権を確認する:物件の所有権が自分にあることを確認します。これには、売買契約書や所有権証明書類(売買契約書、相続証明書、税金の支払証明書、などが権利を示す書類として役立つことがあります。)などが必要です。
- 登記義務者の確認:登記を行うためには、登記義務者(所有者)の確認が必要です。(相続による登記の場合、相続人全員の確認が必要になります。)
- 登記申請書の準備:登記申請書を作成し、必要な書類(所有権証明書、身分証明書など)を添付します。
- 管轄の登記所へ提出:準備した書類を管轄の登記所に提出し、登記手数料を支払います。
- 登記の完了:登記所が書類を審査し、問題がなければ登記が完了します。
※詳細な手続きや必要書類については、管轄の登記所に問い合わせるか、専門家である司法書士に相談することをお勧めします。
相続登記の義務化について
所有者が亡くなったのに相続登記がされないことによって、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地(未登記物件)」が全国で増加し、周辺の環境悪化や民間取引・公共事業の阻害が生じるなど、大きな社会問題となっています。
この問題を解決するため、2024年4月1日に法改正が行われ、これまで任意だった相続登記が義務化されることになりました。相続によって不動産(土地や建物)を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられました。相続登記が義務化されたことにより、土地の適正な管理が進み、社会全体にとってのメリットが増えると期待されています。
なお、正当な理由がなく違反した場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。
未登記物件は早く手続きを済ませましょう!
未登記物件に対する対策はできるだけ早く行うことが重要です。早期に対策を行うことで以下のようなメリットがあります。
- 法的保護の確保:法的な所有権が確立され、物件に対する権利が正式に認められます。
- トラブルの防止:所有権が明確になるため、不動産取引や相続時にトラブルが発生するリスクが減少します。
- 行政サービスの受益:正確な登記情報があることで、税金の適切な課税や行政サービスの提供が円滑に行われます。
- 価値の保護:登記が完了すると、不動産の価値が適切に評価されるため、将来的な売買や担保設定がスムーズに行えます。
未登記物件に対する対策を講じることで、これらのメリットを享受し、将来的なリスクを回避できます。
未登記物件をお持ちの場合には、なるべく早めに、司法書士や弁護士など専門家の助けを借りてスムーズかつ確実に手続きを行いましょう!


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