貸主様の高齢化に伴う問題

昨今、日本は高齢化の一途を辿っており、近い将来に4人に1人が75歳以上という超高齢社会になると言われております。それは、不動産賃貸業界にも様々な影響が出てくることが考えられます。

そこで今回は、貸主様がご高齢になり、認知症になられた場合と、お亡くなりになられた場合の不動産賃貸管理に及ぼす問題点や、そうなった際の対応方法についてお伝えしたいと思います。

  1. 貸主様が認知症になられた場合
    貸主様が認知症になってしまわれると、進行具合によっては、意思能力を失ってしまい、契約に関する重要な事柄を決められなくなってしまいます。例えば、借主様からのクレーム対応や、設備等修繕、入居者募集などです。また、意思能力がないと認められた場合は、意志決定した内容についても、法律上無効となる可能性もあるため、借主様としても安心して契約締結や、契約の継続がしづらくなってしまいます。そこで、認知症になられてしまった場合の対処方法としては、進行度合いに応じ、成年後見制度の利用や、貸主様の名義変更が挙げられますが、成年後見制度を利用するには煩雑な手続きが必要なため、貸主様の名義変更がおすすめです。
  2. 貸主様がお亡くなりになられた場合
    貸主様がお亡くなりになられた場合でも、借主様との不動産賃貸借契約は当然に継続します。従って、毎月の賃料の管理や、設備等修繕義務も継続し、入退去が発生すれば原状回復や入居者募集の対応なども必要となります。それらの対応は、貸主様の相続人が全て行うことになります。生前に貸主様より、不動産賃貸管理方法について引き継ぎを受けていればなんら問題のないことかもしれませんが、そのような引き継ぎをしていないまま相続するケースが大半なのではないでしょうか。そのため、相続して初めて問題に直面することが大変多いようです。また、相続人が単独であれば、その方が全ての権限を有するため、その方の意向だけで管理を行えますが、相続人が複数いらっしゃる場合には、遺産分割をしない限り、相続人全員の共有となり、相続人全員で管理の方法について決めていかなくてはなりません。これでは、ひとつひとつの問題の解決に時間がかかってしまいますし、管理が非常に煩雑なものとなってしまいます。

 

そのような問題を事前に回避するには、遺言が有効です。相続人の内、どなたかお一人の方に管理をお任せするという内容にすることで、管理を任される相続人の方も、貸主様から管理の引き継ぎを受ける心構えができますし、貸主様においても引き継ぎをするための準備ができます。

しかし、そのような遺言も全ての方が残される訳ではございません。そのような場合には、不動産賃貸管理会社に管理の委託をすることが、最善の策と言えます。賃料の管理には煩雑な作業がありますし、設備等修繕にも一定の知識が必要です。それまで不動産賃貸管理に携わっていらっしゃらない方にとっては、非常に大きな負担となってしまいます。また、入退去が発生した場合には、それらの対応に不動産会社の介入を依頼することが必要となるため、そのような業務を含め、一手に引き受けることのできる不動産賃貸管理会社に委託をすることが、相続人の方にとって有益なことではないかと考えられます。

なお、相続人が複数人いらっしゃる場合、不動産賃貸管理会社は各相続人に業務の決済を取らなければならず、双方において非常に煩雑な作業が発生します。それを防ぐひとつの方法として、各相続人と不動産賃貸管理会社の間で賃貸借契約を締結し、不動産賃貸管理会社と借主様との間で転貸借契約を締結することをおすすめします。そうすることで、相続人の方は賃貸業務に携わる必要がなくなり、不動産賃貸管理会社も自社で業務の判断をすることができ、スムーズな業務進行が可能となります。また弊社では、パススルー型サブリースという管理サービスを行っております。ぜひ一度ご検討下さい。※「パススルー型サブリースのうまい利用方法」参照

年齢を重ねることは誰にも止めることができません。貸主様の高齢化に伴い発生する問題にご親族の方が直面する前に、日頃よりできる事前対策を、少しずつ行って頂くことが必要なのではないでしょうか。
 

By | 2017年1月17日

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