ビル電話回線やネット回線について

新たにご入居されるテナント様より、「電話回線を引きたい」「インターネット回線を引きたい」といったご希望はほとんどの場合頂くのではないでしょうか。

ビルに電話・インターネット回線を引く仕組みと、注意点を記載します。

電話・インターネット回線の仕組み

図の様に、電話回線・通信回線をまとめて管理している「MDF」へNTTより光回線や電話回線の引込を行います(図緑色線)。

各階等の単位毎に設置される主配線盤の間を中継する配線盤「IDF」が設置され(図赤色線)、そこから各テナント区画に回線の引込を行います(図青色線)。

※MDFとは

電話回線や通信回線をまとめて管理している、主配線盤の事を指します。集合住宅、ビルなどで、外部に通じる通信回線をすべて収容し、集中的に管理する集線装置です。

※IDFとは

中間配線盤を指します。集合住宅・ビル等で主配線盤から中継する配電盤であり、各階等の単位毎に設置され、主配線盤で集約している電話回線や通信回線を、さらに分配して中継する設備です

(MDF参考画像)

 

インターネット回線を引く際の注意 ※光回線

オーナー側で気を付ける事として

  1. MDFの配線可能数がオーバーしている可能性はないか?
    解約後、前テナントが使用していたケーブルが撤去されずに残っているケースが稀にあります。この為、テナント解約時の原状回復時に解約や配線撤去作業が完了しているかなどを確実に確認する必要があります。
    残置された配線が多数放置されたままになってしまうと、MDFに通せる回線余力が不足し新たに増設させる必要(MDFの容量ですか?⇒はい、MDFの容量です。)があり、費用が発生してしまうケースがあります。増設にかかる費用は契約者へ光回線の事業者から請求されるため、テナントでの負担となるケースが多い様です。
  2. 前テナントが利用されていた回線を新テナントで利用できるか?
    光回線事業者が違えば不可となります。事業者毎(フレッツ光、auひかり、NURO光など)で個別の回線を通すためです。
  3. 特定の事業者しか契約できない建物がある。
    マンションタイプでインターネット回線を引込んでいる場合「特定の回線のみしか使えない」ことがあります。回線速度などから、テナントよりNURO光などの新しい回線の引込みを希望された場合には、既存の配線では対応ができず新たに配線のし直しが必要となるケースがあります。
    オーナー側で気を付ける事としては、MDFに過去に入居されていたテナントが利用されていた配線を残さない様にしておく事です。解約時に撤去をさせず、新たにテナントがMDFに回線を引き込む事で、どの配線がどのテナントが利用されているか分からなくなってしまうと、いずれ容量がオーバーしてしまいます。光回線の事業者では容易に撤去が出来ないこともあるため、オーナー側で電気設備業者を手配し、調査の上、配線の撤去をする必要が出てしまいます。
    ビルの配線状況や、回線の種類などを日頃より把握しておくことも、管理の上では重要なことといえます。

 

管理面にて気を付ける事として

  1. 回線工事を行う際には、各階のIDFを空ける必要がある為、IDFの前に物を置くなど、塞がないようにしておくことが大切です。
  2. 回線工事日には、各テナントへ通知・日時調整をしておく必要があります。特に専有部内にIDFがある場合はテナントへの配慮が必要です。営業に支障が出ない事や、女性のお客様専用のテナント等の場合は、営業時間外に行うなどが必要です。

 

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By | 2021年8月25日

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