
『内容証明郵便』とは
不動産オーナーの方々であれば、一度は耳にされた事があるのではないでしょうか
今回はトラブル対応の第一歩となる機会が多い『内容証明郵便』についてお伝え致します。
『内容証明郵便』とは、『後から争いになった時のために、重要な通知を証拠として残す郵便』ただし、送っただけで相手を強制的に動かす力はない、という点が重要です。
「いつ、誰が誰に、どのような内容の文書を差し出したか」を日本郵便が証明する制度です。

基本的な使用方法
ステップ 1: 文書の作成
内容証明郵便の文書は、書面で作成する必要があります。この文書には送付する内容を明記します。
- 送信者情報(名前、住所、連絡先など)
- 受取人情報(名前、住所など)
- 文書の内容(通知内容、要求事項など)
- 送付日(重要な日付として記録)
- 署名や押印(送信者の署名が必要)
文書の内容としては、弊社の業務に該当するものであれば
- 「賃料滞納の催告」
- 「契約違反の是正要求」
- 「契約解除の通知」
- 「賃料改定の通知」
- 「原状回復に関する通知」
などが該当します。
ステップ 2: 作成のルール
作成方法には明確なルールが有ります。こちらに適したものでなければ取り扱う事は適いません。内容証明郵便には、縦書き・横書きの決まりはありません。どちらでも作成できます。
重要なのは向きではなく「形式」です。
イメージとしては縦書きが昔ながらの形式で不動産・法律関係の通知に今でも多用されています。横書きはPC作成を行う場合に一般的になってきております。
下記にルールを纏めます。
- 文書1通のみを内容としていること。
※このため、内容文書以外の物(図面や返信用封筒等)を同封することはできません。また、為替証書や小切手等の有価証券についても同様です。
- 次の文字または記号によって記載されていること。
| (1) | 仮名 |
| (2) | 漢字 |
| (3) | 数字 |
| (4) | 英字(固有名詞に限ります。) |
| (5) | 括弧 |
| (6) | 句読点 |
| (7) | その他一般に記号として使用されるもの |
- 一般書留とした郵便物であること。
- 1行20字以内、1枚26行以内(縦書きの場合)
- 1行20字以内・1枚26行以内
1行13字以内・1枚40行以内
1行26字以内・1枚20行以内(横書きの場合) - 記号は1個1字とします。ただし、括弧は上下(横書きの場合は左右)を全体として1字とし、上(横書きの場合は左)の括弧の属する行の字数に算入します。
- 文字や数字を円、三角形、四角形等の簡単な枠で囲んだものは、各文字及び枠(1字)の合計で計算します。ただし、文中の序列を示す記号として使用されているものについては、全体として1字と計算します。
- 文字や記号に傍点や下線等を施したものは、傍点や下線等を含めた全体を1字として計算します。
ステップ 3: 郵便局での手続き
内容証明郵便は、どこの郵便局でも郵送出来る訳ではありません。
- 内容証明取扱いのある郵便局
- 郵便物の配達を担当する比較的大きな郵便局
小さい「〇〇簡易郵便局」や一部の小規模郵便局では、内容証明を扱っていない場合があります。郵送する際には専用の手続きが必要です。郵便局にて以下のことを行います。
- 内容証明郵便の申し込み: 郵便局で「内容証明郵便」を申請し、文書を提出します。郵便局員が、内容証明として正式に受付します。
- 記録の保管:提出した内容文書と謄本を照合し、認証された謄本の一部が差出人へ返され、もう一部が郵便局で保存されます。
ステップ 4: 受取人への送付
また郵便局では普通郵便と異なり、受取人に配達されたことを証明するため、配達証明を別オプションとして扱っております。配達証明を併せて申し込むことで、受取人が受け取った日を記録し、証拠として保持します。実務では「相手にいつ届いたか」が重要になるケースが多いため併用することが有効です。
歴史と成り立ち
1.郵便法の制定(1947年)
日本の郵便法は1947年に制定されましたが、この時点で「内容証明郵便」については明確に規定されていませんでした。郵便手段、郵便網の拡充に伴って徐々に機運が高まり整備へと進んでいきました。
2.内容証明郵便の導入(1954年)
1954年、内容証明郵便は正式に導入されました。これは、法的証拠としての役割を持つ郵便方法として、郵便事業の一環として開発されたものであり、当初から証拠としての効力を持つ郵便として使われることが想定されていました。
3.利用範囲の広がり
内容証明郵便の利用は、企業間や不動産業界などで急速に広がりました。商取引や不動産契約において、契約違反や合意事項に関する通知が重要になるため、後々の証拠として内容証明郵便が活用されることが増えました。特に、賃貸契約や賃料未払いの通知、契約解除通知など、重要な手続きにおいて、証拠を残すために内容証明郵便は不可欠となりました。
4.近年の変化(インターネットとの関連)
インターネットが普及し、電子的な書類の送信方法が進化してきた現在でも、内容証明郵便は依然として重要な手段として利用されています。ただし、電子内容証明郵便のように、デジタルな形式でも同様の役割を果たすことができる仕組みも導入されています。このようなデジタル化によって、さらに便利になり、実務でも広く使われるようになっています。
まとめ
響きだけだと少し堅苦しく、仰々しい『内容証明郵便』ですが、紐解いてみれば、
誰でも使え、重要な通知を行った事実やその内容を証拠として残し、トラブル回避の為の重要な手段
となる事がご理解頂けましたでしょうか
但し、内容証明郵便は、相手に強い印象を与える通知方法でもあります。そのため、すべてのトラブルで最初から内容証明を使用するのではなく、電話や通常の書面による連絡を行ったうえで、重要な意思表示や記録を明確に残す必要がある場面で利用することが大切だと当社では考えています。
当社では、管理業務の範囲内で、事実関係の整理や通知・発送、記録の保管などについてご相談いただけます。法的判断や紛争性の高い案件については、必要に応じて弁護士等の専門家への相談をご案内します。ご不安な状況が御座いましたら、まずは遠慮なくご相談ください。
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