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ビルの図面で見かける「PS・EPS・DS」とは?それぞれの役割をわかりやすく解説

ビルの図面で見かける「PS・EPS・DS」とは?それぞれの役割をわかりやすく解説

ビルやマンションの図面を見ていると、「PS」「EPS」「DS」といったアルファベットの表記を目にすることがあります。

普段建物を利用しているだけではあまり意識することのないスペースですが、実はどれも、建物を安全・快適に使うためには欠かせないものです。

見た目は似たような形ですが、中を通っている役割はそれぞれ異なります。

今回は、建物の図面でよく見かける「PS」「EPS」「DS」について、その意味や役割を簡単にご紹介します。

PSとは?

PSは一般的に「Pipe Shaft(パイプシャフト)」または「Pipe Space(パイプスペース)」の略として使われます。

その名前のとおり、建物内のさまざまな設備や配管を通すためのスペースです。

ビルには、給水管や排水管など、多くの配管があります。これらの配管を各階につなぐためには、建物を縦方向に通る経路が必要になります。そのために設けられているのがPSです。

たとえば、各階のトイレが同じような位置に配置されている建物があります。これは、上下階の配管をまとめやすくすることも理由の一つです。

  • 給水管
  • 排水管
  • 通気管

一般の利用者がPSの内部を見る機会はほとんどありませんが、漏水などのトラブルが起こった際には、点検や修理のためにPS内の配管を確認することがあります。

そのため、単に配管を隠すためだけの空間ではなく、建物を維持管理するうえでも重要なスペースとなっています。

EPSとは?

EPSは「Electric Pipe Shaft」や「Electrical Pipe Space」などの略として使われ、主に電気関係の配線や設備を収めるためのスペースです。

建物内では、照明やコンセントをはじめ、さまざまな設備で電気が使われています。それらに電気を供給するためには、多数の電線やケーブルを各階へ通さなければなりません。

EPSには、こうした電気配線のほか、建物によっては分電盤や端子盤などの設備が設置されていることもあります。

PSが主に「水などを運ぶ配管の通り道」であるのに対し、EPSは「電気を届ける配線の通り道」と考えるとイメージしやすいでしょう。

また、最近の建物では電気だけでなく、電話、インターネット、通信設備、防災設備など、多くのケーブルが使用されています。建物の規模や用途によってEPS内に収められる設備は異なりますが、電気や通信を建物全体に行き渡らせるための重要な場所であることに変わりはありません。

DSとは?

DSは「Duct Space(ダクトスペース)」または「Duct Shaft(ダクトシャフト)」の略として使われます。

主に空調や換気に使用するダクトを通すためのスペースです。

ダクトとは、空気を運ぶための管のことです。たとえば、トイレや給湯室から空気を外へ排出する換気設備や、空調設備などで使用されています。

ビルの場合、一つのフロアだけで空気を循環させるのではなく、複数の階をまたいで給気・排気を行うことがあります。そのため、ダクトを縦方向に通すためのDSが必要になります。

PSの中にある配管と比べると、空気を大量に通すダクトはサイズが大きくなることもあり、建物によってはDSが比較的大きなスペースを占めている場合もあります。普段目にする換気口の先にはダクトがあり、そのダクトがDSを通って屋上などにつながっていることもあります。

なぜ専用のスペースを設けるの?

「配管や配線なら、天井裏や壁の中に入れればよいのでは?」と思うかもしれません。

しかし、建物には非常に多くの設備があります。水道、排水、電気、通信、換気などを無計画に配置してしまうと、建物内が複雑になり、点検や修理も難しくなってしまいます。

そこで、設備ごとに通り道をまとめるPSやEPS、DSなどのスペースを設けています。設備をまとめることで、建物の室内をすっきりさせるだけでなく、点検や更新工事を行いやすくするというメリットもあります。

ビルは完成したら終わりではありません。給排水設備や電気設備、空調設備などは、建物を使用している間に点検や修理、交換が必要になります。そのため、将来のメンテナンスを考えた設備スペースの確保も、建物を長く使用していくうえでは重要です。

建物によって表記が違うことも

今回ご紹介したPS・EPS・DSは建築図面などでよく使われる表記ですが、その呼び方や意味がすべての建物で完全に統一されているわけではありません。

設計者や建物によって表記方法が異なったり、PSの中に複数種類の設備が収められていたりする場合もあります。

そのため、実際の建物について確認するときは、図面の凡例や設備図などを確認することが大切です。

また、似た表記として「MB(メーターボックス)」などが使われることもあります。建物の図面には、このようなアルファベットの略称が数多く登場します。

まとめ

普段は目立たないPS・EPS・DSですが、いずれも建物の機能を支える重要なスペースです。

表記主な役割
PS主に給排水などの配管を通すスペース
EPS主に電気・通信などの配線を通すスペース
DS主に空調・換気のダクトを通すスペース

私たちが蛇口から水を使ったり、照明をつけたり、快適な室内環境で過ごしたりできるのも、こうした設備が建物の中に張り巡らされているからです。

ビルの図面を見る機会があれば、部屋の配置だけでなく「PS」「EPS」「DS」の場所にも注目してみてはいかがでしょうか。

普段は見えない場所から、建物を支えている設備の仕組みが少し見えてくるかもしれません。

 

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By | 2026年10月26日

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