公正証書とは?

不動産の契約でたまに耳にする「公正証書」という言葉。今回はこちらについて簡単に説明していきたいと思います。

公正証書とは

公正証書とは、当事者の申立てに基いて公証人が公証役場で作成する契約書・合意書等のことをいいます。

 

公証人とは

公証人とは30年以上の裁判官や検察官、弁護士、法務局長などの経験を経て法務大臣に任命された方々のことを指します。

そんな公証人立会いの下で作成された契約書、合意書等は一般的に作られる文書とは異なる強い「証拠能力」や「強制執行力」を持つ公文書として扱われるのです。

つまりこの制度は、社会的な信用が高く、法律のプロフェッショナルである公証人が立会って文書を作成することにより、当事者同士が後々の争い余地を生じさせない為のシステムと呼ぶことが出来るでしょう。

 

公正証書の種類

公正証書には、「公正証書遺言」「金銭貸借や不動産賃貸借契約に関する公正証書」「離婚にともなう慰謝料・養育費の支払に関する公正証書」などがあります。今回は「不動産賃貸借契約に関する公正証書」について注目していきましょう。

 

公正証書にするメリット

公正証書を利用しての賃貸借契約の最大のメリットは法的効力があり、債務不履行の場合に一定の条件(金銭の支払いについての公正証書で、借主が強制執行を受諾する旨の文言がある場合等。)を満たしていれば裁判所の判決を待たずに「賃料の支払い等を強制執行できる」という点です。

ただ、これだけだと少しわかりづらいと思いますので、契約書を公正証書にしない場合(いわゆる通常の賃貸借契約)と公正証書を利用しての賃貸借契約を比較して何が違うのかを簡単に説明したいと思います。

借主が賃料を支払わない場合の貸主の対応

ご参照:「滞納が始まったら」

 

このように、契約書を公正証書でつくることには貸主にとってメリットがあります。

但し、ここで注意が必要なのは「公正証書に強制執行力がある」とはいっても、それはあくまで「金銭に関してのみである」という点となります。仮に公正証書を利用した賃貸借契約で、滞納が発生し、強制執行が行われたとしても、それは物件内や借主が所有する財産を差し押さえるというだけで、物件の明け渡しなどには及びません。つまり物件の明け渡しについては強制執行を行えず、実費負担の上通常通り裁判を起こし、勝訴する必要があるのです。

こうした点を考えると、公正証書を利用しての賃貸借契約は「契約に重みを持たせる」程度の意味合いしか期待できない可能性も大いにあると考えられます。

 

費用

公正証書契約にするには、「公証人役場に支払う手数料」がかかります。この費用負担は、契約当事者双方の折半が一般的ですが、協議の上、割合を変更するケースもあります。費用は目的物の価格によって変わりますが、目安としては5,000円~20,000円その他に印紙税として4,000円程度がかかります。

※印紙税は契約書のページ数によって異なります。通常の契約よりも余分な費用がかかるという点に注意が必要です。

 

まとめ

ここまで不動産の契約と公正証書について説明してきました。

結論から申しますと、様々な点を踏まえて実務的にはあまり契約書を公正証書で作成するということは行われておらず、家賃の回収は連帯保証人か家賃保証会社にお願いするケースが昨今のトレンドとなっております。家賃保証会社の役割は、借主が家賃滞納した際の立て替え、立て替え後の賃料回収代行、訴訟・原状回復費用の負担まで行ってくれます。

ご参照:「家賃保証会社とは」

 

ここまでご説明すれば、賃料の強制執行しか行えない公正証書とでは、どちらが安心できるかは明白かと思います。

但し、事業用の定期借地権は公正証書にすることが義務付けられたりもしていますので、こうしたシーンでは欠かすことの出来ない制度となるでしょう。

 

 

当社では、これまでの管理上のトラブルなどを基に、契約の様々な内容を改善し続けております。もし公正証書の作成方法や費用につてのご質問や契約の内容に不安などありましたら、当社までお気軽にご相談下さい。

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By | 2018年7月27日